「はいはい、ちょっと待って。」廊下を駆けていくことたびたび。
ピーピーと呼ぶ声が聞こえる。
声の主は同じ階の約 50 m 先にある実験室のCHNコーダー。
土壌や海洋堆積物試料の解釈に欠かせないCHNの分析を進めています。
CHNコーダーが設置されている場所まで、私の居室の扉、50 メートルの廊下、そして実験室の扉、の距離があります。
・・・そして私は部屋で音楽を聴いていることが多い。でも、
ん!? なんか呼んでる?
部屋で作業をしていても、神経は時折 50 メートル先のCHNコーダーの叫び声に向かう。
これに反応できないと、分析が止まってしまうのもあり、最近なぜかCHNコーダーが呼ぶ声が聞こえるようになってしまいました。
学科の先生の実験室にあるCHNコーダー、かなりの年代物で、時折母に写真を送り「007みたいじゃない!?」と話しています。・・・といっても私も 007 世代ではないので、想像して勝手に写真を送ってみてるだけ。
この感じ、一昔前じゃない?
印字は、赤と黒に分割されたインクのリボンを通して数字が打ち出されるタイプ。機械からは長いびろーんとしたレシートが出てくる方式です。
通常は黒字、エラーが出たときは赤字で「ERROR 34」などと印字されます。
が、時折インクのリボンがレシートともに前にせり出してきます。
約20個、サンプルを自動で分析してくれるオートサンプラ―が付いています。
機械が順調ならば、サンプルをセットすれば1.5 時間ぐらいは自由にできる・・・のですが、
リボンがせり出しすぎて、外れてしまうことがあるんですよ。
分析結果が赤字になるのは許すとしても、印字されないのはどうにかしてほしい。最近にありがちな、「パソコンのソフトがフリーズした」などという話ではないエラーが、人知れず発生。
こればかりは機械もピーピーと呼んでくれません。
印字跡のでこぼこから数値を読み取ろうとするも、
「う~ん・・・」
悩むことしばし。
「あ~。。ムリ!!」
断念して分析しなおしになりました。
インクリボンのワッチも仕事に加えました。
それでも古い機械は構造よくわかって面白い、という利点もあります。
自分で取り替えたりという作業ができるところが、 (毎回技術営業の方をお呼びするほど予算が潤沢ではない) 研究者に優しい。
これからも末永く、頼むよ、CHN コーダーさん。
出てきたレシート。左が正しい。
ちょっと目を離したすきに結果が黒字からやがて赤字に・・・なる間もなく、わずかな凸凹しかみえなくなっていた。あああ、測定し直しよ。
日時も2054年になっているところもご愛嬌。
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