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アルゴンガスに翻弄される、の巻

  • Lab member
  • 2024年12月6日
  • 読了時間: 3分

更新日:2024年12月15日

論文が publish された。そう南極で大気中の水銀を1か月間連続で観測した結果をまとめたものだ。



今回、 63次隊で南極に持ち込むボンベのうち、「アルゴンガス」は唯一1本、私の「大気中水銀を連続で観測するための」調査用のみ。


ボンベは富山で購入して立川 (国立極地研究所に荷物を集積する)に納入するわけにはいかない。PIの先生にお願いして、立川周辺のガス屋さんで購入 (発注) してもらうようにお願いした。


ところが、私のPIの先生は国立極地研究所内で要職についており、超多忙。極地研究所に行ったときスマホで管理している予定表を見せてもらったら、ほぼ会議で埋め尽くされてるではないか。ランチぐらいしか時間がないよう。


メールを出しても、返事が遅すぎることが度々あり、富山に居る私は


「PIの先生は、ちゃんとボンベは頼んでくれたのかな」

と終始心配することとなった。


だって、数か月前のメールの内容を急に思い出したように返信してくるんですもの。


「え。今頃?」を通り越して

「メールのシャワーの中、どうやってこれを発掘したの?」


ということに興味を持ってしまうレベルなのだ。




 



極地研の倉庫に納入されたアルゴンガスを見て安堵した私は写真をパチリ。

 


「ああ、心配」


そう言いながら、コロナ禍、荷物を集積しに国立極地研究所に行って倉庫にアルゴンガスボンベが納入されていることを確認。次はしらせにちゃんと運ばれるか?


荷物がしらせに運ばれた日、「すべて運ばれて行きました」と連絡が。


「ボ、ボンベも運ばれましたかね??」

「大丈夫!」


・・・ほんまですか?ほんまにほんま?


運ばれたと信じ、昭和基地に到着。「しらせからボンベはどこに運ばれたの!?」とドキドキ。「1車庫じゃない?」 (野外観測の荷物はたいていここに運ばれる) と言われて見に行くも、


「・・・ないんですけど。」


じゃあ、設置予定場所の基本観測棟?

かくして、頭が青いボンベ(アルゴンガスボンベの頭は青色)を発見!



お次は約 60 kg のアルゴンガスボンベと設置場所を見て愕然とした。

2階ではないか!




ブリザードを和らげるため、ほとんどが高床式の建物の昭和基地。

うーん写真で見ていたはずだけど、いざその場に行かないと想像ができなかった・・・。


 

基地の建物はたいてい高床式。

 


かくして、皆さんに手伝っていただいて運び上げることになった。

舗装されてない地面にぼてっと転がっていたガスボンベ。

舗装されていたら、ボンベ立たせて、抱きかかえるように支えながら底をグルグルと動かしながら動かすのだが、そうもいかず、無理やりみんなで引きずり階段まで。


そこからは4人で抱え上げた(あげてもらった)。




 

4人がかりで外階段を使ってアルゴンガスを運び込んだ。

 


お次は、ガスの接続。専用接手を使うのだが、この配線がイマイチ苦手な私は、

かなり長いことうっすらと接手から漏れるアルゴンと格闘し続けることになった。


測器の会社の方はいつもこともなげに接続するのだが、私は苦手。

接手に石鹸の泡を塗り、漏れを確認しますが、なんとなくフツフツ感があるんやけど。


心配すぎてスマホの写真がガスのゲージだらけになる。



 



ある日のスマホの写真。気になりすぎるゲージの針の位置。

 

こういう時はチューブをいったん外してテフロンチューブをカッターでスパッと切って接続しなおし。


うーん。

「・・・漏る気がするんやけど、何で!?。ガス足りなくなったら、詰む!!!」


言ってもどうしようもないけれど日本にいる共同研究者に泣きのLine。


奮闘し、なんとか漏れなくなるも、この夏、また別の設置調査で同じ失敗をしでかした。


(共同研究者の皆さまいろいろご迷惑をおかけしました。)



かくして、昭和基地で1か月の大気中水銀の連続観測を遂行した。



 
 
 

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富山県立大学工学部 環境・社会基盤工学科 中澤研究室

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