「地面への葉っぱや枝からの水銀沈着量を見るにはリタートラップがいるんじゃない?」
そんな話をしてから、だいぶ日が経ってしまった。
とりあえず、冬に向けての落葉はまだ、だ。
やってみよう。
と、作成開始。
まずは、リタートラップに詳しい (長年森林関連の調査をされている) 、鳥取大学の先生にヒアリング。
「屋久島の林床に設置されてるのは見たことがあるんですけど、実際設置してみたことがなくて・・・。あれ、買うんですか?」
「こんなホームページもありますけど、意外と値段するんですね。」
とメールをしたら、
「え。売ってるんや、あれ。いつも手作りだよ。」、との返信が。
材料とともに、作り方も教えてもらいました。指南書を学生に渡してしばらく経ったころ、
「材料って届いたんですか?」
と聞かれたので、
「DCMカーマ大島店に買い物に行くところからよ。実験室の中のもので、サランラップとか、アルミホイルとか、洗いカゴとか、私がいつも買ってきてるのよ。・・・みんな知らないと思うけど。」
「え。そうなんですか。」
「行きましょ、って言わないと、ずーっと、そのままになっちゃうよ(笑)」
実は、そうなのよ。。とやり取りして、買い物にいきました。
配属になったばかりの3年生も誘うだけ誘おう、と連絡してもらったらゼミ生二人プラスアルファ、面白そうとやってきてくれました。
当初は4年生と二人で買い物かなと思っていたらワラワラと。
こうなると探すのも早いし楽しい。
図面を見ながら、何をどれだけ買うか話をしながら材料を調達しました。
「早くしないと散っちゃうよ。」
「え、でも11月だからまだ大丈夫ですよ、たぶん。」
「いやいや、ハラハラと時々散ってるよ。緑の葉っぱでも。」
作成開始です。
寒冷紗にマジックで線を引き、半円状の形に切り出します。
ガーゼのような寒冷紗、紙を敷いてマジックを使ったものの、敷いた紙が薄くて、
「実験台に落書きされてるやん・・・」
あ~。机に落書きされてるやん。と言いながら寒冷紗に線を引く。
あとは縫っていくだけ。
指南書には「もっぱらホチキスで」とも書いてあります。
「まあ、まずは王道、縫ってみるか。」
「波縫いでいいですよね。」
「うん。ハズレてこなければ大丈夫だと思う。」
「玉結びってどうやったっけ?」
「糸、二重にするって、どういう意味?」
家庭科の授業みたい。
1/4ぐらい縫ったころだろうか、
「もう、縫うのは無理っす。ホチキス取ってきます。」
眠たそうだったので、途中でお任せにして自室に戻ってデスクワークをしていたら、
「出来たので設置します」と写真付きメールが。
おおっ、今日は眠そうだったから、途中でやめて帰ったのかと思ったら、やってたのね。
ゼミの部屋と実験室は階が異なっており、離れているので、内線電話かメールでやりとりしています。
「え。見たい。いまから見に行くよ。」
と返信して、1Fに降りて実験室をのぞいたらすでに、4年生3人がいない・・・。
「素早いな。」
「でも、ゴムハンマーは持って行ってないだろな。」
ゴムハンマーを持って設置場所へ向かいます。
「おおっ!? いい感じやん。」
塩ビの足は大き目の石で固定されていました。
「でも、それ、風で倒れない?」
「・・・倒れそうっす。」
ゴムハンマーで足を埋め込み、その足元は石で固めました。
リタートラップの中におもりの石を入れて完成。
風で倒れないかな?
様子をみてまた考えよう。
そして、3年生も呼んで量産体制、設置しよう。どこに設置するかも考えどころだよね。
風が強めだった次の日、
「リタートラップ倒れてなかった?」
「あ、大丈夫でした。1枚だけ葉っぱが入っていました!」
ゴムハンマーで塩ビパイプを叩く 4年生。
あと何個作ろうか?
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