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南極にむかう "しらせ"の艦内にて

  • 執筆者の写真: Lab member
    Lab member
  • 2023年9月14日
  • 読了時間: 4分

 大学院に進学して、フィールドに出て調査をし、さまざまな研究を目にするようになり、研究をするために南極に行く人たちがいることを知るようになった。


「いつか行ってみたいな、でもチャンスないよね、たぶん。」と思って半分あきらめつつ研究をつづけていた。(ものすごい強い意志を持って行きたがっていたわけではないが、行きたかった)


約15年の時が流れたある日、行けるチャンスがやってきた。


コロナ禍まっただなか、私は63次南極地域観測隊に参加することになった。


ブログはじめのいくつかは観測隊参加時に大学SNSに寄稿した記事を再編してお送りする。




流氷域をすすむしらせより撮影




2021年11月10日、 南極観測船 しらせ は横須賀港を出発。


新型コロナウィルスの影響もあって、隊員は横須賀にて乗船、一路昭和基地を目指すこととなった。


この記事を書いている今は 2021年12月10日、乗船してちょうど1か月が経過し、南緯 68 度に達したところである。


隊員は、しらせの船内で無線の使い方、応急処置の仕方、発煙筒の使い方、緊急時の救出訓練など、さまざまな講義や訓練を受け、時には赤道通過とその後の安全航行を願う赤道祭などの楽しい行事もありながら、昭和基地に向かう。


出航後、しらせは、11月14日にフィリピンのレイテ沖、11月17日に赤道を通過。

このとき気温は30度を超え、熱帯の空気が体を包んだ。



その後、オーストラリア、フリーマントルに寄港し、燃料や食糧を補給。

岸壁の「陸」に上陸できるかと思い気や、新型コロナウィルスを警戒して、しらせ内に閉じ込められたまま。


しらせから見える景色を眺めるだけで終了。

しらせ乗組員(海上自衛隊の方々)は上陸しており、隊員がぶつぶつ文句を言ったのは言うまでもない(笑)。



その後、「吠える40度」「狂う50度」「叫ぶ60度」と形容される、南緯40~60°の暴風圏へと入り、暴風圏では船は前後に、左右に大揺れ(動揺) し、時にはまっすぐ歩くこともできない状態になった。




廊下の端から隊員が歩いているのをみると、みんな斜めになり、時には思わぬ方向に「おおっ」と振り回されたり・・・。


船酔いのひどい隊員は、ほとんど部屋で寝ている・・・状態になり、


後から、「え。あんまり見たことない人がいる!?」という隊員があらわれたりした。



提供される食事は、なかなかおいしくて日々食べ過ぎ気味に。


訓練や講義などがなく、天候がよい時には甲板で運動すること(艦上体育) が許されているのですが、しらせ艦内ではやはり運動量も少なくなり・・・。


自宅なら掃除、風呂掃除、ご飯の準備、自分でやっていたのに、


「すべておまかせ」


なんと贅沢な・・・。自衛隊のみなさんありがとうございます。



が、そうなると、気になるのは体重。


動揺する船の中で体重を測るとどうなるか? 


答:体重が(私の場合)、35kg から55kgの間を動揺に合わせて行ったり来たりするので、測定不可。


しらせの食事で太ったかどうかは、服のキツさと鏡をみて判断するしかない。


仕方がないので、行く前にヤフオクで落札したスーツのスカートをはいてはキツさを確認していた・・・。




では、もう一問。


動揺する船の中で体幹トレーニングのような運動をすると、どのような感じになるか?


 答:必要以上に負荷がかかり、ぐ~っと押し付けられながら耐えるというような状態に。


無駄に負荷がかかって辛く、バランスをとるのも困難に。一説によると動揺が激しいときはバランスをとるために筋肉を多く使うので太りにくいとか。



暴風圏を抜けると、あたりは静寂。流氷、氷山なども見え始める。





氷山がはじめて見えた日。艦橋ではこんなカードを作ってくれていた。



白夜に向かう南極圏の日没は22時半ごろとなり、ついには日没がなくなった(白夜)。日没がある最後の日は、雲がまばらにしかありませんでした。艦橋にて地平線を本当にゆっくり沈む(もしかすると完全には暗くならないのかも)太陽を見ていた。



パリっと寒い、静かな海を滑るように走るしらせ、艦首左には沈みゆく太陽と夕焼け、そして真艦首方向には月。南極が近づいていた。



(大学SNS寄稿文より加筆修正)




 
 
 

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富山県立大学工学部 環境・社会基盤工学科 中澤研究室

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