麺類と麻婆豆腐はできません- 屋久島に居座る前線と物流
- Lab member

- 3 日前
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更新日:20 時間前
先日、屋久島に調査に行った。秋雨前線が屋久島付近にびろーんと横たわること4日。もうどしゃぶりの雨がずっと続いた。
当初帰る予定がふつかも延びた。
今回の調査は、白谷雲水峡近くでの作業が第一目的。
くねくねと山道を登っていくと、まったく雲行きが怪しい。途中からは完全に雲の中と確信するほど、あたりに霧が立ち込め、
「前が見えないよ・・・。」
運転にも気を使わざるを得ない。
当日、共同研究者ら一同は、白谷雲水峡に近い駐車場で落ち合った。
レインウェアを着て道具を準備していると、すぐに雨が土砂降りとなった。
「天気がやばい。雷も鳴ってる。」
共同研究者がすかさず、雨を採取する道具を取り出して、駐車場のオープンスペースに置いた。全員集合してどうしようかと相談するうちに、分析に必要な量がすぐにたまるぐらいの降雨強度だった。

・・・ついたとたん、めっちゃ降るやん。
「いったん退散!、宮之浦に戻って作戦会議しよう。」
「今朝の収穫は「雨が採れた」だけね。」
山をおりて、宮之浦で打ち合わせをすることしばし。建物の外にでて宮之浦から白谷雲水峡方面を見上げると、かかっていた雲がやや高くなっている。昼から再トライして、途中雨に降られながらも試料を採取した。
今回の試料の採取には許可と許可を得た組織の職員の同行が必須である。
「今から行くしかない!」
という私たちのワガママに職員のかたが対応してくださったので実現した。
結局、このタイミングでしか採取できなかっただろうと思うほどに雨が降り続いた。
雨が降り続くとどうなるか。
島のスーパーから日配品がどんどんなくなるのだ。
屋久島への主なアクセス方法はフェリー (折田汽船:屋久島Ⅱ)、高速船 (トッピー、ロケット)、そして飛行機である。折田汽船が運航しないと宅急便も届かないし物資が輸送されない、そう思っていた。
今回、前線がかかり続けた結果、それぞれが欠航し、スーパーのパンとくだものの棚が空になり、豆腐や乳製品、麺・・・が、つぎつぎと姿を消した。
「何も売ってないよ・・・」
お昼に宮之浦の中華料理屋さんに行ったら、私達が入るなり
「麺料理と麻婆豆腐はできませんよ~。」と言われた。
ああ、(屋久島Ⅱが) 欠航だもんね、と、麺と麻婆豆腐以外の料理を注文した。
別行動をしていた共同研究者にLINEを送った。
「私たちは、お昼に宮之浦の中華料理屋に行ったけど、麺と麻婆豆腐はなかったよ。」
ところが、である。
夕方、会うなり言われた。
「麺、ありましたよ」
共同研究者がその日の夕方、同じ中華料理屋さんにご飯を食べに行ったところ、麺料理はあった、というではないか。
「?!」
「もしかしてその麺、昼間のトッピー (高速艇) に乗ってきたのかな?」
「え。トッピーも日配品を運んでるんや!!」
「優先順位とかあるのかな?」
旅客運賃で比較すると、フェリーは 6,000円/人、トッピーは12,700円/人である。
高級麺を食べたような気になるのだった。



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