調査のごはんー南極露岩域編ー
- Lab member

- 6月6日
- 読了時間: 4分
先日、JPGU 2026学会で南極関連の発表をした。
直前までバタバタとプレゼン (ポスター発表) 資料を作成していたが、調査地の写真を探すためにHDDを見ていたら、案の定脱線した。
今日は、調査のごはんー南極露岩域編ーである。
私が参加した夏隊では、昭和基地から数十キロメートル離れた調査ポイントに赴き、そこに泊まり込んで調査をする。場所によっては小屋があったり、あってもテントで寝泊まりしたりする。
南極と言えば「白い」風景を想像するかもしれないが、夏の沿岸沿いは白くない、露岩が露出した場所がところどころある。
私たちを運んでくれるのは、ヘリ。
自衛隊のヘリが昭和基地と露岩域を行ったり来たりしている。
「野外調査へはヘリコプターで」にも書いたが、空港と同じくスリーレターコードがあるのには驚いた。

ヘリが迎えに来たよ~。
遠くからヘリの音がしていよいよ近づきつつあるタイミングで、発煙筒 (写真オレンジ色の煙) を焚いて風向きを知らせる。

車載されている発煙筒を想像するなかれ。大きいのである。
発煙筒の中にある、「安全せん」(ピン)は、なんとなくレアで隊員に人気のお土産のひとつ。
露岩域に車はない。
あちこち徒歩でウロウロし、試料を採取する。長時間歩くとお腹が減る。ゆえに・・・お昼ご飯・行動食を持って行く。
山の行動食としても使われることの多いアルファ化米、そして長期保存の可能なパン・・・63次では Como パン (決してまわしものではないが、HPはこちら) がたくさん出てきた。
この Comoパン、おいしいは美味しいのだが、カロリーがすごい。
昭和基地にいると、朝食からお昼までの間、お昼から夕方までの間、行動食(おやつ)の意味合いで、いくらでもこのComoパンと缶コーヒーが配られる。
夏期間の後半には、いくらでもカロリーを消費しそうな男性隊員でさえ、パッケージの裏を返して、カロリーを確認するほどだった。
「これ、カロリーやばくない?」
観測隊参加期間、なんやかんやと食べて、服がややきついなと自覚せざるを得ないほど私も太った。
でもこんなものをチョイスして持って行くのが一番ラクである。
露岩域の小屋から出発するときは上記の行動食か、なにか考えなければならない。
手間がかからない、いつでも食べれる、栄養は考えない・・・ことにして、
露岩域の小屋に持ってきた食料を眺める。
今日は、これにしよう。
・・・めちゃくちゃ簡単。手抜きと言えば手抜き。
おにぎりとソーセージ。
アルファ化米もComoパンもそれはそれでおいしい。
でも、ご飯を炊き、ふりかけを混ぜておにぎりをつくり、ソーセージをフライパンでちょっと炒める。そんなちょっとのひと手間で、お昼お弁当の満足度が全くちがった。

露岩域で作ったある日のお昼ご飯。大量につくってみんなで食べた。
ふりかけがきちっと混ざってない・・・そして、
た、卵焼きがほしいです・・・。南極で卵は貴重品、代わりになるのは冷凍の卵オムレツかな。

昭和基地から日帰りで露岩に出かけたときは、こんなお弁当を持たせてくれた。(しらせ (海上自衛隊が運航を担っている) の調理担当が作ってくれる)。
お弁当を斜めにしたばっかりに野菜が飛び散ってるけれど・・・。いつもどおり気にせず撮影してしまった私。
ま、こんなもんでしょと思っていたら、グループによっては、もうびっくりするほど料理に凝っているようだった。
配布された冷凍食品やらカンヅメを露岩域には大量に持って行くのだが、そのなかで工夫に工夫を重ねる隊員もいたようで、後日話に花が咲いた。
ちなみにこの食料品の配布、往路のしらせ船内で行うのだが・・・もうてんやわんやの大騒ぎで一大イベントである。
(私の隊次ではないけれど、極地研のHPに様子が出ていました→コチラ)
こんなお昼ご飯を食べながら、わたしは昭和基地と基地のあるリュッツォホルム湾周辺の露岩域で、150地点近くの土壌を採取しまくっていた。
日本に試料を持ち帰って土壌中の水銀濃度と有機炭素濃度などを測定。
昭和基地の土壌中水銀のデータのいちぶはこちらの論文にも載せたのだが、南極で観測された土壌中水銀濃度と比較しても、「低い」濃度の部類に入るようである。
しかし、である。昭和基地内にはところどころ「高濃度の土壌中水銀」が観測される場所があることがわかった!!
さてさて、その要因は何なのか?をまとめて発表した。

「今回はまあまあ、力作でしょ」「そうやな、早く論文にせんか。」と言いながら妙にピンボケ・人が気を抜いたタイミングで写真を撮る達人の共同研究者が撮影。
日本でも、忙しいしふだんは「ま、いいか」になりがちの食事。
このブログを読んでくださるかたの食事はいかに・・・?
え?コンビニおにぎりたべながら読んでる?
コンビニおにぎりもおいしいけれど、たまには「手抜き」でも、ご飯を炊いてふりかけを振っただけのおにぎりを作ってみるのはいかがかしら?

過去の隊次の方の道具の撤収をみんなに手伝ってもらった。一仕事終え、みんなで休憩中。
写真左は、以前「南極大工人」として大学で講演してくれた隊員。



コメント